問題解決する栄養療法⾷品

リーダーインタビュー

ここで学べること
栄養療法の世界とは、栄養療法ができることは?
今、注目の「栄養療法」について、この世界を牽引する第一人者に伺いました。

ご高齢や病気の方ほど、栄養不足にご注意!
薬・手術・リハビリ
すべてに効果が高まる"栄養療法"


医師 岡田晋吾さん<第1回配信>


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1986年防衛医大卒。同附属病院、函館五稜郭病院外科科長などを経て、北海道函館市に「北美原クリニック」を開業する。冬の寒さが厳しい地域にあり高齢患者の通院が大変なことも考慮し、訪問医療にも積極的に取り組む。「地域に信頼され、貢献できる"かかりつけ医"」として、早期から褥瘡対策やNSTの地域での普及・推進に尽力している。医療法人社団守一会 北美原クリニック専門は消化器内科、肛門科、外科、胃・大腸内視鏡検査、褥瘡管理、胃ろう管理。


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 著書紹介 


『キーワードでわかる臨床栄養 令和版 栄養で治す!基礎から実践まで』




Web版はこちら


https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/index.html



Q.なぜ栄養に関心を持ったのでしょうか?


栄養状態が良いと手術がうまくいく、
合併症が少なくなる、などの経験が
"栄養療法"を究めるきっかけ。


私はかれこれ30年ほど医療に携わっています。私が医師になった頃、70歳や75歳くらいの患者さんの治療にあたる場合、「合併症のリスクがあるから、手術はやめましょう」ということが多かったんです。しかし、この30年の間に麻酔や手術などが進歩し、ご高齢の方でも「手術をする」という選択がなされるようになりました。ここで印象的なことは、手術を選択した高齢者のうち、合併症を起こさない患者さんと合併症を起こしてしまう患者さんがおられるのです。なぜ、違いが出るのだろう?と不思議に思いました。
気づいたことは、患者さんの「栄養状態が良い」と、手術がうまくいったり、合併症が少なくなったり、するということでした。ちょうど、その当時(1998年)、「日本静脈経腸栄養学会(現・日本臨床栄養代謝学会)」が発足しました。学会に加入した医療者が皆、栄養療法について勉強し始めたのは、その頃です。


Q.手術後に改善が見られないのは、どのような方ですか?


あまり肉を食べない人、
食が細い人ほど、病気をきっかけに
ガクッと弱くなってしまう。


以前は、明治時代に生まれたご高齢の方の手術をしていたのですが、そういう方々は痩せておられることが多くて、基本的に栄養状態がギリギリでした。その状態で手術をすると合併症を起こして、最悪の場合には亡くなられてしまうとか、他の方より入院期間が長くなるということをたくさん経験していました。
最近では、新型コロナウイルスの感染症で、高齢者が重症化したり、亡くなったりしやすいことが問題になっています。もちろん、合併症や、すでに持病があることも復活しにくい理由のひとつですが、栄養状態がギリギリ、もしくは栄養不良の状態で、ご高齢の方が感染症に罹ってしまうと、予備力や免疫力がないために復活しにくいのです。栄養不良のために、さまざまな治療を試みても反応しにくくなってしまうのです。
やはり、高齢者は、たんぱく質が豊富な肉を食べる習慣がないのでしょう。高齢になって、食が細くなってしまう、いつも決まったものを食べがち、作るのも食べるのも面倒くさいから一食抜いてしまう。こうしたことが習慣としてあるようで、普段は大丈夫でも、医療を必要とする病気などになると、栄養状態がギリギリなので、悪くなってしまう方が多かったのだと思います。



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Q.治療に、栄養はどのような影響があるのですか?


薬・手術・リハビリ、すべての効果を
左右する。入院前の筋肉を取り戻すには、
より多くの栄養摂取を。


前提として、栄養状態が良いからこそ、薬も効くし、安心して手術を受けられるわけです。そもそも栄養状態が悪いと、たとえ薬を飲んでも、体の中で、その薬を必要とする所にまで運ばれません。仮に、薬が必要な所に運ばれたとしても、そこに栄養素がないと薬に反応できない。つまり、薬の効果が発揮できないのです。栄養状態が基本という、理由がお分かりになると思います。
他にも、栄養不良で痩せてフラフラの状態では、リハビリテーションや運動療法を行っても、なかなか筋肉は戻らない。一般的に、1週間も入院すると、うまく歩けなくなってしまいます。歩けるようになるためにも、リハビリが必要ですし、そのためには入院する前以上の栄養を摂取しないと、筋肉にはならない。やっぱり、栄養はとても大事だと思います。


Q.改めて、栄養補給を意識した方が良いのは、どんな方ですか?


当たり前すぎて意識しない、栄養。
高齢者や病気を持っている人は、
栄養不足の可能性を認識して。


我々は生まれた時から母乳で栄養を摂ります。栄養を摂らないで大きくなったり運動できたりした方はおられないでしょう。人は生まれてから死ぬまで栄養を摂取しながら生きている訳ですから、栄養はベース、まさに基本なのです。あまりにも基本過ぎて、普段、人は勝手に十分な栄養を摂っていると思いがち。ですが、高齢者や病気を持っている方々は、なかなかその基本ができていない。栄養不良なんです。そのままでは、免疫力も体力も筋肉も落ちてしまうのに。
栄養の重要性を、患者さんに改めて、きちんと説明するようにしています。治療をするために、いい薬を使いたい。でも、その薬が効果を出すためには体力、基本の力が必要。基本的な体力や免疫力をつけるためにも、足りない「栄養」を摂ることが大切。こう説明すると、受け入れてもらいやすいんです。



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